2009年7月18日土曜日

ジュネーヴ礼拝式を再現 カルヴァン生誕500年で記念集会

キリスト新聞 2009年7月18日号

ジュネーヴ礼拝式を再現 カルヴァン生誕500年で記念集会(キリスト新聞)

カルヴァン生誕500年を記念する集会が7月6日、東京神学大学(東京都三鷹市)で行われ、教派を超えて約240人が礼拝堂を埋め尽くした。同集会は「礼拝者カルヴァン」とのテーマを掲げ、アジア・カルヴァン学会日本支部と日本カルヴァン研究会を中心とする実行委員会(久米あつみ委員長)が主催して行われた。

初めに芳賀力(東京神学大学教授)、秋山徹(日本基督教団上尾合同教会牧師)、菊地純子(日本キリスト教会神学校講師)の各氏がそれぞれ、「讃美と応答――この世を神の栄光の舞台とするために」、「カルヴァンのジュネーヴ教会の礼拝」、「ジュネーヴ詩編歌という世界」との題で講演した。

芳賀氏は、カルヴァンの思想が世界を肯定する性格を秘めており、カルヴィニストたちが近代世界の形成と変革の担い手となったことを論証した上で、カルヴァンの霊性を段階ごとに整理した。

秋山氏は、カルヴァンの礼拝理解を実際の聖餐礼拝の順に即して解説し、当時の礼拝を「再現」することで今日の礼拝のあり方を再確認したいと強調した。

菊地氏は、今井奈緒子氏(東北学院大学教授)によるジュネーヴ詩篇歌の演奏を聴き、参加者と共に歌うことで、その歴史的背景と意義について共有した。

講演の後、ジュネーヴ教会の礼拝式、聖餐式が1562年版の式文に基づいて再現され、詩編46編によるカルヴァンの説教も全文が読み上げられた。

参加した神学生(32)は、「カルヴァンの世界肯定・否定両方の態度が、讃美・応答へと有機的に結びつくことを教えられた」と感想を語った。

全体の進行を務めた関口康氏(日本キリスト改革派松戸小金原教会牧師)は、「盛会のうちに閉幕できたことを感謝したい。教団・教派を超えた協力体制は見事であった。100年前や50年前の日本で『カルヴァン生誕記念集会』が行われた形跡はない。日本史的な意義を持つ集会になったと思う」とふり返った。

(キリスト新聞 2009年7月18日号の切り抜き)

2009年7月4日土曜日

『新たな一歩を カルヴァン生誕500年記念論集』(2009年)が発売されました

『新たな一歩を カルヴァン生誕 500年記念論集』(アジア・カルヴァン学会日本支部編・久米あつみ監修、キリスト新聞社、2009年)が 7 月 3 日(金)に発売されました。

本書の英語タイトルは以下のとおりです。
Taking a New Step - Calvin Studies in the Quincentenary of his Birth.
 Japanese Association of Asian Congress on Calvin Research (Kirisuto Shimbun, 2009)

■ 『新たな一歩を カルヴァン生誕 500年記念論集』目次

アジア・カルヴァン学会の始まったころ (渡辺信夫)
聖書解釈と説教-カルヴァンの聖書解釈論の考察 (野村 信)
カルヴァンの聖餐論 (ヴィム・ヤンセ)
カルヴァンのレクイエム(吉田 隆)
カルヴァンにおける人間的なるものの評価 (関口 康)
カルヴァンとロヨラ-二つの教育改革 (久米あつみ)
16世紀後期のルター派、ツヴィングリ派、カルヴァン派における「獣」の解釈 (イレーナ・バッキュース)
研究ノート/16世紀宗教論争の言語的脈絡 (竹下和亮)
セバスティアン・カステリョによる異端迫害批判の神学的論拠について (鈴木昇司)

【A 5 判/ハードカバー/250頁/定価2625円】です。

また、今年は以下のようなカルヴァン関係の新刊が予定されています。「カルヴァン年」にふさわしい、怒涛の出版ラッシュです。自信をもってお勧めできる本ばかりです。

■ カルヴァン生誕 500年記念出版物一覧

○『キリスト教綱要 改訳版』第4篇 カルヴァン著(渡辺信夫訳 新教出版社)

○『カルヴァン論争文書集』カルヴァン著(久米あつみ編訳 教文館)

○『リフォームド神学事典』ドナルド・K. マッキム編(いのちのことば社)

○『牧会者カルヴァン 教えと祈りと慰めの言葉』エルシー・A・マッキー著(出村 彰訳 新教出版社)

○『祈りについて 神との対話』カルヴァン著、I. J. ヘッセリンク編・解説(秋山 徹、渡辺信夫訳 新教出版社)

○『信じるということ 上 ハイデルベルク信仰問答を手がかりに』A. ラウハウス 著(菊地純子訳 教文館)

○『ジュネーブの議会と人びとに宛てたヤコポ・サドレート枢機卿の手紙×<ジャン・カルヴァンの返答』(シリーズ「宗教改革の焦点」01 石引正志訳 一麦出版社) 

○『出村彰宗教改革論集』第 3 巻(新教出版社)
第1巻『カルヴァン 霊も魂も体も』第2巻『改革派教会とその遺産』第 3 巻 未定

○『新たな一歩を カルヴァン生誕 500年記念論集』(アジア・カルヴァン学会日本支部編、久米あつみ監修、キリスト新聞社) 

○『カルヴァンの生涯 上 西洋文化はいかにして作られたか』アリスター・E. マクグラス著(芳賀 力訳 キリスト新聞社)

○「カルヴァン特集」『礼拝と音楽』日本基督教団出版局

○『カルヴァンの教会論』増補改訂版 渡辺信夫著(一麦出版社)

○『「キリスト教鋼要」を読む人のために 7 行で読むカルヴァン』フォード・ルイス・バトルズ著(金田幸男・高崎毅志訳 一麦出版社)

○『エフェソ書説教集(仮題)』カルヴァン著(アジア・カルヴァン学会編訳 キリスト新聞社)

○『改革派教会信仰告白集』全 6 巻 別巻 1(大崎節郎編 一麦出版社)

○『カルヴァンの生涯 下』アリスター・E. マクグラス著(芳賀 力訳 キリスト新聞社)

○『カルヴァン書簡集』カルヴァン著(久米あつみ編訳 新教出版社)

○『カタリーナ・シュッツ・ツェル ある16世紀宗教改革者の生涯と思想』エルシー・アン・マッキー著(芳賀繁浩訳 一麦出版社)

○『信じるということ 下 ハイデルベルク信仰問答を手がかりに』A. ラウハウス 著(菊地純子訳 教文館)

(※タイトル・出版時期等は変更される可能性があります。)

2009年4月26日日曜日

第 7 回講演会報告

アジア・カルヴァン学会主催第7回講演会を以下のとおり行いました。

テーマ 「ヨハネス・アルトジウスの政治思想とその現代的意義」~カルヴィニズムと政治をめぐる一側面~

日時  2009年 4 月25日(土)午後 2 時~ 5 時
会場  立教大学 池袋キャンパス12号館地下第一・第二会議室
講師  関谷 昇  氏 (千葉大学法経学部准教授)
コメンテーター 小川有美 氏 (立教大学法学部教授)
司会  田上雅徳 氏 (慶應義塾大学法学部准教授)

会費  500円 (含茶菓代)